この教材では、学習者の知識レベルとGIS(地理情報システム)に対する興味関心や理解度に応じた段階的な学習アプローチを提供することで、GISを体験的に学習することを目的としています。
そこで、学習者のレベルをノービス、マスター、エキスパートの3レベルに分け、それぞれのレベルに合わせたシナリオを提供しています。
ここでは、エキスパートレベルに合わせた学習の考え方と、そのレベルでのインタラクションの形式について解説します。
エキスパート(発展レベル)
目的
エキスパートレベルの課題を通じて、学習者はGISとデータリテラシーの高度なスキルを身につけ、地域の課題に対する具体的な解決策を考案する能力を養うことができるようになる。地域のデータを活用し、実際に手を動かしながら学ぶことで、理論だけでなく実践的なスキルも身につけることができる。GISツールと各種政府統計や公共オープンデータの使用方法を学び、地域の課題を考えたり分析する手順について理解する。
対象者
- GISを使用した分析の経験があり、様々なツールやオープンデータを活用して自ら高度な分析に取り組む意欲のある学習者
- 基本的なGIS操作を超えた応用的な分析技術や、地域課題に対する独自の解決策を考案するために、どのようなデータが必要なのか推測し、該当するデータを入手する能力を持つ学習者。
学習アプローチ
- 具体的な分析方法を提示したシナリオではなく、地域課題の例を提供する。
- 学習者は、提供された課題に対して自ら分析のアプローチを考え、GISツールと統計データ、オープンデータを駆使して解決策を導き出すことが求められている。
- このプロセスでは、学習者の批判的思考能力、問題解決能力、そして創造的思考能力が養われる。