ねらい
- 公共機関が提供するデータから目的に合ったデータセットを見つけ出し、ダウンロードする方法を学ぶ。
- 複数のデータレイヤーをQGISで読み込み、地図上で表示する方法を習得する。
- QGISのフィルター機能を使用して、特定条件のデータのみを表示させる技術を学ぶ。
学習目標
- 公共機関が提供するデータにアクセスして目的に合ったデータセットを選択し、ダウンロードできるようになる。
- QGISに複数のデータレイヤを読み込み、地図上に適切に表示できるようになる。
- QGISのフィルター機能を使いこなして、特定条件のデータのみを選択的に地図上に表示できるようになる。
- QGISのマーカーのデザインを設定して、データの属性ごとに異なるマーカーで地図上に表示できるようになる。
ケースの概要
QGISを使用して公共機関が提供する地理データを活用する方法を学ぶ。対象地域の学校と行政区域のデータを国土数値情報ダウンロードサイトから入手し、QGISにインポートして地図上で視覚化するプロセスを通じて、地理データのダウンロード、QGISでのデータレイヤーの管理、フィルタリング技術を使用して特定のデータを抽出し、異なる種類の学校(小学校、中学校、高等学校)を色分けして表示する方法を習得する。
使用ツール
- 国土数値情報ダウンロードサイト
- QGIS
作業の手順
1. | 国土数値情報ダウンロードサイトから対象地域の「学校」と「行政区域」の2種類のファイルをダウンロードする。ここでは「山形県」を例にとりあげる。 | |
2. | 学校のファイルをダウンロードする地方を選択し、県を指定する。 | |
3. | 行政区域のファイルをダウンロードする。 | |
4. | ダウンロードしたファイルの、拡張子shpのシェープファイルのみを使用する。 | |
5. | QGISを起動し、「学校」のシェープファイルをQGISのレイヤパネルにドラッグ&ドロップすると学校の位置にマーカーが表示される。 | |
6. | 同様に「行政区域」のシェープファイルをレイヤパネルにドラッグ&ドロップする。 | |
7. | 「ブラウザ」の「XYZ Tiles」の「OpenStreetMap」をダブルクリックし、背景地図を設定する。 | |
8. | レイヤパネルに表示されたレイヤ名をダブルクリックして「レイヤプロパティ」を開き「ラベル」を設定する。 | |
9. | 地図上に学校名と行政区域のラベルが表示される。 | |
10. | 学校のレイヤのプロパティを表示し、学校名が記載されたフィールド(P29_005)を確認する。 | |
11. | クエリビルダを開いて、P29_005フィールドの「~小学校」という文字列を含む値を抽出するフィルタを作成し、フィルタ式に“P29_005” LIKE ‘%小学校’ を入力してOKボタンを押する。 | |
12. | レイヤパネルの学校のレイヤを右クリックし、メニューのスタイルでマーカーの色を指定する。 | |
13. | レイヤをコピーして「~中学校」「~高等学校」という文字列を含む値を抽出する校種ごとのフィルタを作成する。 | |
14. | 校種のレイヤごとに異なる色のマーカーが表示される。 |
評価のポイント
- 適切なデータソースを選別し、目的に応じたデータファイルを正確にダウンロードできたか。
- 読み込んだデータがQGIS内で正しく配置され、地図上に適切に表示されているか。
- フィルタ機能を正確に使用し、指定された条件に基づいてデータを抽出し表示できるか。
- レイヤプロパティの設定が適切に行われているか、ラベルが正しく、読みやすく表示されているか。
リソースとサポート
- 国土数値情報ダウンロードサイト 初めての方へ
- QGISの公式マニュアル
事前準備
- 国土数値情報ダウンロードサイトの操作練習
- QGISの操作練習
発展的な学習
- QGISの高度な分析ツールを使用して、地域課題のデータをさらに詳細に分析する。
- 国土数値情報以外の公共交通機関や人口統計データなどの公共データソースを統合して、より包括的な地域の課題を分析する。
- QGISのプラグインやPythonスクリプティングを利用して、カスタマイズされたデータ処理や分析を行う方法を学び、地図作成の自動化や特定のデータ処理タスクの効率化を図る。