ねらい
- このシナリオの目的は、地理空間データを操作し視覚化する基本的な技術を身につけることです。特に、GeoJSON形式のデータをQGISというオープンソースの地理情報システムにインポートし、地図上で適切に表示する方法を習得します。
学習目標
- GeoJSONの基本的な理解: GeoJSONフォーマットで提供される地理空間データの構造と特性を理解します。
- QGISの操作方法の習得: QGISの基本的な使用方法を学び、地理空間データを効果的に操作・管理する方法を習得します。
- データの視覚化: 地理空間データを使って情報を視覚的に表現するスキルを開発します。
- データのカスタマイズと共有: 地図データの視覚的なカスタマイズ方法を学び、作成した地図をデジタル形式で保存及び共有する方法を理解します。
ケースの概要
このシナリオでは、日本で公開されているGeoJSON形式のデータを使用します。このデータには、地域内の重要な施設の位置情報が含まれています。学習者は、このデータをQGISに読み込み、様々な表示設定を行いながら地図上でのデータの解釈と分析を行います。最終的には、分析結果を基にした地図を作成し、それを画像やPDFファイルとしてエクスポートする方法を学びます。このプロセスを通じて、地理情報システムの基本的な操作と、地域データを活用した問題解決のアプローチが身に付きます。
使用ツール
- 地域のオープンデータカタログサイト
- QGIS
作業の手順
1. | 地域のオープンデータカタログサイトからGeoJSON形式の地点情報を入手する。ここでは「G空間情報センター」で公開されているデータセットを例にとりあげる。 | |
2. | ダウンロードするデータセットを検索する。この例では「埼玉県」で検索した。 | |
3. | 埼玉県のデータセット一覧が表示された。データのフォーマットからGeoJSONを選択する。 | |
4. | 埼玉県のGeoJSON形式のデータセット一覧が表示された。 | |
5. | 埼玉県のGeoJSON形式のデータセット一覧から、例として「指定緊急避難場所データ ‐埼玉県」を選択する。 | |
6. | 指定緊急避難場所データの一覧から「指定緊急避難場所データ_11埼玉県(GeoJson)」の詳細ボタンをクリックする。表示されたメニューの「ダウンロード」をクリックしてファイルをダウンロードする。 | |
7. | QGISを起動し、背景地図を設定します。「ブラウザ」の「XYZ Tiles」の「OpenStreetMap」をダブルクリックする。 | |
8. | QGISの背景地図にOpenStreetMapが表示される。 | |
9. | GeoJSONデータを表示するレイヤを設定する。QGISのメニューの レイヤ > レイヤの追加 から「ベクタレイヤの追加」を選ぶ。 | |
10. | ソース欄にダウンロードしたGeoJSONファイル(11.geojson) を指定し「追加」ボタンを押す。 | |
11. | レイヤ欄にインポートしたGeoJSONのファイル名「11」が追加されていることを確認する。 | |
12. | 背景地図上にGeoJsonの地点情報が表示されていればインポート成功。 |
評価のポイント
- データの正確なインポート: 学習者がGeoJSONデータを正しくQGISにインポートできているかを評価します。
- カスタマイズの実施: 地図の表示設定(色、線の太さ、透明度など)が適切にカスタマイズされ、データの特性が正確に反映されているかを確認します。
- 地図の読み取りと分析能力: 提供された地図から必要な情報を抽出し、解析する能力を評価します。
- 成果物の完成度: 最終的な地図の質と、プロジェクトファイルやエクスポートされた成果物のプロフェッショナリズムを評価します。
リソースとサポート
- QGIS公式マニュアル: QGISの操作に関する公式ドキュメントは、基本から応用まで幅広くカバーしており、技術的な疑問や操作方法の詳細を確認できます。
事前準備
- QGISのインストール: 公式ウェブサイトから最新版のQGISをダウンロードして、指示に従いインストールしてください。
- データファイルの準備: GeoJSONデータファイルを事前にダウンロードし、アクセスしやすい場所に保存しておきます。
- 基本的なGIS知識の確認: 地理情報システムの基礎についての理解を深めておくことが推奨されます。
発展的な学習
- 応用データ解析: QGISを使って、より複雑な地理空間分析を行う方法を学びます。例えば、空間統計や多層マッピングの技術です。
- プラグインの使用: QGISには様々な機能を追加するプラグインが多数あります。特定のプラグインを利用して特定のデータ分析を行う方法を学びます。
- プロジェクトベースの学習: 実際の地理空間データを使用して、地域の問題解決に取り組むプロジェクトを設計し、実施することで、学んだスキルを実践的な環境で応用します。