監修:真鍋 陸太郎(東京大学大学院工学系研究科 准教授)
私たちが過ごす日常はデータで表現することも多いです。そのデータはいろいろな方法で収集され、集計されて、また提供されています。政府も多くの統計データを用意してくれています。このようなデータを地図の上でわかりやすく表現すると、自分たちの地域のことを読み取ることが比較的容易になってきます。
この教材では場所と紐づいたデータを電子地図上でわかりやすく表現する方法を学びます。
最近では政府からたくさんの統計データが提供されています。統計データを提供してくれている代表的なホームページの1つがeStatです。eStatでは政府が収集した統計データを国民の皆さんが無償で使用することができます。またeStatの中に、jSTAT Mapという統計データを地図で分析・表現する道具も用意されています。簡単な集計や表現を地図上にすることができます。この教材ではjSTAT Mapの簡単な使い方を紹介します。
もう1つ、ホームページで地図の分析ができるものとして、RESASを挙げておきたいと思います。RESAは、地域経済や人口動態、産業分布など、豊富なデータを提供するプラットフォームです。ホームページでは基本的な使い方から、産業分析や地域分析の応用例までを学ぶことができます。例えば最近話題のインバウンド、外国人訪問客の様子などを地図上に表現することができます。
jStat MapやRESASは地図表現を簡単にできるように工夫されたWebGISです。この教材ではもう少し難しい分析にもトライしてみます。
先ほどのeStatやさらには国土交通省が提供する国土数値情報を活用するとより多くの分析ができます。その際にはオープンソースソフトウェアのQGISを使用すると良いでしょう。この教材ではQGISの簡単な使い方から、応用例まで紹介します。
また学習した内容を友人と共有できるインタラクティブツールも提供しています。インタラクティブツールには分析結果をわかりやすく表現する「地図プレゼンテーションツール」、地図に関するクイズを作って楽しむ「地図クイズツール」、地図を使ってみんなで電子地図オリエンテーリングへ出かける「地図オリエンテーリングツール」を用意しました。それに自分の知っている情報を簡単に書き込めるカキコまっぷからQGISなどの本格的な地理情報システムへデータを変換できる「地域データ変換ツール」も用意してあります。地域データ変換ツールを使うとカキコまっぷとGeoJSONとを双方向で変換することができます。
さて、身近なことをわかりやすく、でも少し高度な方法で表現してみて、地域の理解をより深めてみましょう。